単体工程の時間を決めよう (標準時間)
単体工程を決める
以前日程計画は、まずは作業時間がどれくらいかかるかあまり考えず作業順を優先しようと話したと思います。そして、項目を並べた順番に作業ができているなら、その1項目ずつが自然と単体工程と呼ばれるものになったと思います。単体工程は決まった作業域での1つのまとまった作業で、1工程あたりおおよそ1時間~数時間程度の長さです。
もし、ある項目の作業をしている時に、トラブルもないのに途中で中断して別の項目を作業をしているようなら、「単体工程」としてうまくまとまっていません。よくある例では工程が図面単位で決めていたり、切断・溶接など加工方法別単位になっている場合です。また、項目が工程なっておらず、一定期間内の代表的作業になっている場合もダメな典型例です。
×ダメな例
今日の午前中(4時間)は板の切断をする。
◎良い例
板の荷下ろし1時間、A板の切断、2時間 B板の切断、1時間
作業単位になるように、まとまりを見直しましょう。
時間を経験で見積もる
次にいよいよ各工程の時間がどの程度かかるかの見積もりに入ります。見積もり法は様々ありますが、単体工程の時間を見積もった経験の少ない職場に最初におすすめするのが、ベテラン作業者や現場管理者に過去の経験からどの程度時間がかかるかを予想してもらう「経験見積法」から始めるのをお勧めします。
「経験見積法」は、デメリットとして思い込みやちょっとした感覚のずれなどの影響をうけやすく、精度にも限界があるのが欠点ですが、見積に必要なデータが不要ですぐに始められる利点があります。また、何よりもメリットなのは、生産管理担当者と職場との意思疎通が図れることです。経験見積法のやり取りを通して、事業が生き残っていくためにはどの程度の時間やコストで作らなければならいないのかなどの共通認識を持つことが出来ます。また、見積もった時間通りにできなかった時の理由を共有し改善につなげることも出来ます。高度な見積方法になればなるほど、職場にとっては押し付けられた数字と感じやすくなりますので、経験見積法から始めることを、私はお勧めします。
トラブル時間は入れない
次に時間を見積もるときに注意しないといけないのは、トラブルなどを見越した余裕時間をいれないということです。多くの人は時間を見積もるときに、トラブル時間を織り込んで守れる時間を見積もろうとします。しかし、単体工程の見積でこれをやってしますと、全体では非常に余裕をもった間延びした工程になります。そして多くはコスト競争力を持たない見積もりになっているでしょう。各単体工程の見積もりではトラブル等の余裕は基本持たず、よりおおきな工程のくくり余裕を外枠でもつようにしなければなりません。特に経験見積法を行った場合は、各単体工程ごとに余裕を持ちやすくなるので、注意が必要です。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません