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令和元年度 (経営工学)技術士試験

2019年11月15日

令和の技術士試験の筆記試験が行われました。出題された問題を見てみたいと思います。まずは必須科目Ⅰについて感想を述べます。

ここ数年択一式のサービス問題が出ていたことを考えると、一気に難易度がUPしています。浅くても広い経営工学的専門知識があれば解答できる問題だろうと思っていましたが、少なくともⅠ―1のJIT方式とMRP方式との融合は、実務で関わった人とそうでない人とでは大きな差がでると感じました。もちろん、今流行りの「スマート工場」のキーワードに深く考察していればこたえられるだろうけど・・・「生産システム」専攻の方以外にはおそらく難しかったと思います。

教科書的にはJIT方式とMRP方式は引き取り方式と押し出し方式とで相反する方法です。押し出し方式では仕掛在庫がダブダブになるので、JIT方式が最高~ と言いたいところです。が、JIT方式がそのまま適用できるのは限られた範囲かと考えます。JITの最高峰トヨタさんですらお客さんを平気?で待たせています。お客さんの需要による引っ張り方式ではなく、この車ならこれだけ売れる!という信念による押し出し方式をやっているのです。引っ張り方式を採用しているのは、主に組み立てラインへの部品供給計画においてくらいかと思います。そう、押し出し方式が世間のスタンダードでしょう。主な生産管理システムは押し出し方式のMRP方式が基本ですし、押し出し方式からは簡単に脱却できないでしょう。

しかし、MRP等の押し出し方式はJIT引っ張り方式で補完することで効率はあがります。スマート工場の考えでは、手が空いている生産ラインに優先して仕事を割り振ることで、生産効率があがります。

一方Ⅰ-2のエネルギー事業者の問題は一般的な話かと思いますので、生産システムが苦手な人はこちらを選んだのではないでしょうか?どちらの問題も、課題抽出/分析/リスク管理/技術者の倫理や社会の持続性可能性 を述べることが求められていますので、設問の問題を認識さえできれば、答えが導きだせると感じました。というか、それが大事なのでしょう。

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