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標準作業とは

2019年7月7日

単位工程毎に私たちのやり方を決める

日程計画の改善では、おおよそ時間単位のレベルまでの作業の流れが整ってきたと思います。(もしまだ読まれていない場合は、「日程計画」のカテゴリーの記事をご参照ください。https://tu-ju.com/category/%e6%97%a5%e7%a8%8b%e8%a8%88%e7%94%bb/

しかし日程計画をしっかりさせても、時間当たりの単位工程をひとつひとつは、作業時間の山谷が大きくなることがあります。それは単位工程の一つ一つの作業のやり方がちゃんと決まっておらず、人によってばらばらの状態であることが原因です。もしそうなら、職場や会社のやり方を決めて徹底し、そのやり方を皆で改善していくサイクルを回す必要があります。「私のやり方」から「私たちのやり方」へのステップアップです。ここでいう「私たちのやり方」を「標準作業」と呼びます。

標準作業の意義

では、私たちのやり方(標準作業)をきめる意義は何でしょうか? まず第一は安全面です。職場では日々災害を発生させないために、地道な安全対策をされているかと思います。しかし例えば職場でみなが好き勝手に工具類を使っていたらどうでしょうか?とてもすべてに細やかな安全対策をできないですよね。各個人が自分で対策を考えるとの意見もありますが、その場合どうしても安全意識の弱い人の災害発生確率が高くなってしまいます。このように、やり方は増えれば増えるほど、職場の安全性は低くなってしまいます。

次は品質です。品質も安全と同じようなことが言えます。よい品質の製品を作るためには「私たちのやり方」を決めなければならないのです。

一方、ベテランの方は、「これまで各自がそれぞれにやって来た。多少トラブルがあっても別々でいいだろう!」と思われている方もいると思います。確かにこれまで多少の品質トラブルがあっても、お客さんとうまくコミュニケーションを図って乗り切ってきた企業が多いと思います。しかし近年、人命にかかわるトラブルが大きくクローズアップされ、社会問題となりつつあります。これまで許されてきた小さなトラブルも、大きなトラブルの元だと厳しく捉えられるようになってきたのです。従来の考え方を時代が許さなくなってきているのです。

最後にコストと納期です。「私たちのやり方」を精錬させれば自然とコストが低下し、リードタイムは短くなります。

標準作業というとマニュアル作業とのイメージを持たれる方も多いでしょう。しかし、それを作り出すメンバーにとっては、標準作業は「私たちのやり方」であって、それがライバルに負けない競争力をもたらし、私たちの誇りとなるのです。

https://tu-ju.com/2019/05/14/post-197/ 標準作業書の作り方(事前準備) へ続く