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標準作業で改善のサイクルを廻す

2019年5月28日

下記のように作業をすすめることで、標準作業書に基づく作業をおこない、標準作業のレベルアップを図れます。

①標準作業書を消込ながら作業を行う

いよいよ標準作業書に基づいて作業を行います。ただし、なんとなく標準作業書を眺めながら作っていたのでは、標準作業書と実際の作業とに乖離が発生してしまいます。 原則として1項目づつ消込ながら作業を行います。連続した作業の場合、都度消しこみにくいこともありますが、作業の区切りでこまめに消し込むことを心がけます。また、高品質の製品をつくるための製造プロセスを規定した標準作業書を消し込むことは、高い品質の製品が作られている証拠になります。これは品質要求レベルの高い航空宇宙産業等で一般的なやり方です。

もしできれば、各項目毎の終了時間を記録し集計できれば各項目毎の細かな標準時間を設定することにもつなげることができます。そして標準時間と実績の差異を見て改善をすすめることで、より高い品質や、改善を実現することができます。ただし、1項目毎のデータ集計が非常に煩雑になりますので、量産品でない限りはいきなりやることはあまりお勧めしません。実績収集を電子化するなどのデータ収集の効率化が必要になり、実現のハードルが高くなってしまいます。

②標準作業書を品質記録と兼ねてもOK

標準作業書の消込とともに品質記録もあわせて記載すれば記録の手間の削減につながります。ただし、品質記録をそのまま顧客等に提出する場合は、標準作業書を見せる必要が出てきますので注意してください。

③要領が不明確なら作業ストップ!

 予め作った標準作業書が不明確で作業に迷ったらまずは作業をストップです。そのまま進めてしまうと手戻りが発生する可能性が高いだけでなく、  大きな不具合をおこしたり、最悪災害を発生してしまう恐れがあります。

④標準作業書の詳細記載が不十分な場合は追記

概略工程しか書いていない場合で、詳細記載がかかれていない場合は、順次追記をしていきましょう。目標は、一定レベルの技能を持った人が標準作業書を見れば、誰でも作業ができるのが理想です。なお、一定レベルの技能を満たないひとのレベルまで細かく書きすぎるのはやりすぎです。あえて書くなら別途技能の指導書に細かく書いて、指導をおこないます。

⑤フォローアップ会で必ず振り返る

 フォローアップ会を定期的に実施して、標準作業通りにできなかったところの対策を関係者で協議して、改善につなげます。なお問題の原因は職場でなく、他部署や社外であることが多いです。職場外にも問題がしっかりと伝わり、対策をフォローすることが重要です。 標準作業の大きな存在価値として、改善を組織の知識として反映することができることです。高い安全と品質を実現し、継続的なコストダウンが可能になります。