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平準化計画 ネック工程の生産計画をつくる

2019年6月2日

次にどのようにすれば平準化計画が立てられるかを述べたいと思います。

起点は受注計画

どんな良い製品を作っても顧客に買ってもらえなければ、単なる不良在庫にしかなりません。ですから、顧客がいつどの程度買ってもらえるか知る必要があります。

もし顧客が一般消費者の場合は、いつどの程度買ってもらえるかは難しい問題です。家電製品を作る大手製造メーカーやケーキ屋さんなどが当たると思います。市場を調査し、自社の獲得できるシェアを予測して受注計画をたてるのですが、残念ながら外れることが多いみたいで、しばしば計画が外れて大赤字をだしたとの話がよく聞かれます。

しかし、多くのメーカーでは最終消費者との間に、顧客メーカーを挟んでいることが多く、直接最終消費者の気まぐれから受注計画をたてる必要はありません。例えばもし、顧客が量産メーカーの場合で量産部品を納めている場合は、必要部品の購買計画があるはずです。もし、入手していなければ手に入れるようにしましょう。非量産メーカーの場合は購買計画がないかもしれません。その場合でも、大手メーカーでは生産計画をまずは作っています。その生産計画から、どの程度部品の引き合いがあるかは、ある程度想定できると思います。また、生産計画が不十分な顧客の場合でも、その顧客の顧客がしっかりとした、生産計画を立てていることも多いです。これらの情報を手に入れることで、少なくとも中~短期は精度のよい受注計画をたてることができます。

ネック工程・後工程を優先に

受注計画がきまったら、次はネックとなる工程を優先して平準化した生産計画を立てる必要があります。ネック工程とは大型設備や機械、組み立てラインなどで、外注化することも難しく最初に生産が追い付かなくなる工程です。その工程を見つけ出したら、受注計画が示す納期からネック工程から出荷までに必要なおおよその期間を引いて、ネック工程自身の完成納期を割り出します。そして、完成納期別に仕事量の山を積み上げます。仕事量の山は、多くの場合山谷がでるでしょうから、滑らかになるように前倒ししてください。

そして前倒しした着手予定時期に、仕様決定や部品入手が可能か検討します。もしだめでしたら、前倒ししすぎですので、着手可能になるまで後ろ倒ししてください。この時夜勤などの2交代勤務も検討します。もし、1日の仕事量が24時間を超える期間少し発生する程度でしたら、後工程で吸収できないかも検討してみてください。それもダメでしたら、生産計画が破綻しています。すなわち、受注計画をこなすことは不可能ですので、受注計画を見直す必要があります。

このようにして、まずはネック工程の平準化計画をまずは立案します

参考 ザ・ゴール TOC(制約条件理論) ドラム・バッファー・ロープ 

今回の話は、1984年にアメリカに出版された、ザ・ゴールで示されたTOC(制約条件理論)が一般には有名かと思います。日本語約が出版されたのは2001年でしたので、私が知ったのも働き始めてから数年後でした。その趣旨は、ボトルネック工程を見つけて最大限に活用して、それ以外の工程をボトルネック工程に従属させるものだと私は認識しています。

そんなの、あたり前ですよね~ 私は当時そう思いました。でも、当たり前のことは意外となかなかできないです。また残念ですが、当たり前だと思っていなかった製造業幹部も多くいました。そんな世の中で、当たり前のことをバシッといたのが、当時の日本に衝撃を与えたのかと思います。興味のある人は一度読んでみることをお勧めします。ええっ、お前はって・・・ごめんなさい、第一印象が当時当たり前だと思ったので細かくは読んでいません。でも、暇を見つけてちゃんと読んでみようかな。(もし、熟読された方がいましたら、工場で働く方向けに熱く語っていただけら嬉しいです。)