スポンサーリンク

職場に入った不良部品を廃除

職場に品質不良品を入れない工夫を述べてきました。しかし様々な努力をしたとしても残念ながら職場に流入する不良品はまだ残っていると思います。

不良品を顕在化させる仕組みづくり

前にも述べた通り、職場は意外と品質不良品を受け入れて手直し等をして、職場外にあまり知られることなく対処することが多くあります。それが大きな手直しでなくとも、品質やコストに悪影響を徐々に与えていきますので、たまってみると大きな損害になってしまいます。

不良品発見で生産ラインをとめる

トヨタ生産方式では、部品の在庫は「標準手持ち」と呼ばれるもの以外はもちません。そして、もし不良品が納入されるとラインがとまる仕組みになっています。ラインを止めることは非常に大きな決断です。しかしラインを止める損害よりも、不良品が潜在化する損害の方が大きいと判断しているからです。もし、ライン生産をしている職場ならトヨタに学んで、ラインを止めるやり方がよいと思います。

非量産でもラインをとめる気概で問題を顕在化させる

不良品を顕在化の損害は、非量産系でも決してライン生産に比べて小さくないでしょう。ラインを止めるくらいの自覚をもって、不良品を顕在化させなければなりません。私が提案する手法は次の3点です。

①手直し記録を日報等にかく

問題発生直後や終業時等に発生した手直しを各自が書くことです。意識していない手直しは顕在化しにくいですが、職場で個人が不良品にため息をついていることに比べると大きな進化です。面倒に感じてあまり書かない方もいますが、主旨を理解してもらい記載する時間も設けて記録を徹底しましょう。作業直後の記録がベストですが、忙しいことを理由にされて記録を徹底できない場合は、翌朝の朝礼後に記載することから始めるのも手です。

②(平準化生産等で)必要以上の在庫を持たない

非量産系でも、必要以上の在庫は問題を潜在化させてしまいます。平準化生産等で発生する在庫以外は、余分に持たないようにしましょう。

③標準作業と時間との差異を分析する

標準作業・時間の整備がしっかりしていれば、仮に手直し(標準外作業)との認識がなく部品を手直してしまったとしても、 標準時間との差異時間として抽出できます。職場の管理者は標準時間との差異時間が発生すれば、その状況を聞き取りリスト化し、関係者にむけてその状況を発信します。

顕在化した不良品を廃除する

顕在化した問題は、関係者で協議して原因や真因を地道に潰していくことが重要です。まずは、定期的にフォローをする体制を作りましょう。問題によってはなかなか対策がとれないものも多いですが、関係者が集まることで意外に簡単に解決することも多いです。また問題の解決には「QCの7つ道具」などの手法の活用が有効です。QC手法を駆使して職場中心に改善を考える活動を「QCサークル」と呼びます。

参考 「QCの7つ道具 」

「特性要因図」「パレート図」「散布図」「ヒストグラム」「層別」「チェックシート」「管理図」の7つです。WEB上では活用例がいっぱいありますので見てみてください。このブログでも随時取り上げたいと思います。