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KPIを設けよう

KPI でROICを測定する

ROICの説明はこちら

ROICが企業経営において重要なのは理解していただけましたでしょうか。でも、どうすればROICを向上できると思いますか?上記の記事では改善活動で心がけることを述べましたが、それだけでは不十分です。日々の活動は改善だけでなく、多岐にわたっています。その一つ一つの活動について、コストに対して利益がいくらもたらされるか・・・ってなかなか考えられません。そこで、ROICと連動しやすくかつ、身近な指標をみつけて、その指標で管理をおこなうことが現在一般的です。その指標を「KPI」と呼びます。

KPIとは次のような性質をもっているとよいと言われています。

  • ROICと密着な関係がありブレがすくない
  • 定量的
  • 定期的(日・週・月次)かつできるだけ短期に測定できる

では製造業の場合はどうでしょうか?ROICと直結しそうなすぐに浮かんでくる製造業の指標はやはり「SQCD」だと思います。少し大雑把ですが次のようなKPIなら直ぐにでも設定できるかと思います。 もし、SQCDについて何もきめていないものがあれば、早急に設定することをお勧めします。

  • S(安全) :重大災害発生件数
  • Q(品質) :顧客クレームによる手直し件数
  • C(コスト):赤字工事件数
  • D(納期)  :納期遅延工事件数

次はもうちょっと大雑把さをなくしていきましょう。KPIの定義で述べましたが、ROICに対してブレがすくないことが重要になります。例えば安全の重大災害発生件数は、日々の安全に関する活動の良否の指標として使いやすいでしょうか?日々重大災害を起きている企業は現在は稀ですよね。起きてしまったときには、取り返しがつかない手遅れの状態です。もっと軽微な問題のときに知ることができないと困ります。また、発生頻度が少ないものは運の要素に支配されやすいですから、ROICとの関係においてブレが大きくなってしまいます。ではどうしたら、よいのでしょうか?

ハインリッヒの法則をご存じでしょうか。1つの重大災害につき29の軽微な災害、300のヒヤリハットが発生しているというものです。そう、1つの重大災害を追っているとブレが大きくなりますが、300のヒヤリハットを追えばブレが少なくなるのです。ヒヤリハットを置くことができればKPIとしてよりよくなります。と言っても、残念ながらヒヤリハットは正直に申告される例はすくないかと思います。ですから、軽微な災害で追ったり、安全パトロールを実施しその結果を点数化するなどでヒヤリハットを見つけだすなど、一工夫が必要になります。

このようにして、KPIを見つけ出して、その指標を向上させるように取り組めばROICは向上し、会社の経営はすばらしいものになるでしょう。 QCDについても同様のことが言えます。例えば次のように進化させていくのはいかがでしょうか?管理のメッシュが細かくなれば、ROICとのブレが少なくなり、短期間でのフォローも可能となります。

Q 社内不具合件数  ⇒ 標準外作業による手直し時間

C 出来高      ⇒ 標準時間達成率

D 職場別納期遅延率 ⇒ 職場別計画日程遅延率

考え方はいろいろあると思いますが、コツとしては出来高や件数など単純な数で追うよりも、時間などの重大さによって長短が変動するものでKPIとして指標化できればよりよいでしょう。