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働き方改革をプロセス管理から考える

2019年7月7日

上記の記事で総務部門での社員旅行計画をプロセス管理の視点から解説しました。このように企業での活動は、基本的には全てがROIC向上などの企業の目標に対して、効率的に機能しているか否かを考えることが非常に重要です。今回はプロセス管理やこれまで工場管理で述べてきた様々な経営工学や生産工学の考えを働き方改革であてはめてみます。恥ずかしい話ですが、私自身も十分に出来ていないところが多々あります。今回は自分のことを棚にあげて語らせていただきます。

https://tu-ju.com/2019/06/10/post-452/ プロセス管理 あなたは何から何を作る?

仕事のインとアウトをはっきりさせる

まずは自部門が、何から何を作り出す部門(プロセス)なのかをしっかり考えましょう。もし、アウトプットにあまり寄与しない仕事があれば改善の余地大です。慣習に縛られずに効率の良い部門(プロセス)になることを目指します。

部門(プロセス)の効果を測定監視し改善する

部門からのアウトプットは下流部門がなんとなく欲しいと言われて出していないでしょうか?下流部門で全く使われていないにも関わらず送り続けているものがありませんか? 下流部門でアウトプットが活用されて会社の利益に大きく貢献できているか考えることが重要です。これをKPIとして設定して、小さな労力で大きな成果が生み出せるように日々改善努力することが重要です。

https://tu-ju.com/2019/06/04/post-416/   KPIを設けよう

仕事の標準手順と標準時間を決める

仕事のやり方が人によってバラバラですと、効率的なやり方を追求できません。また効率のよいやり方を考えても部門に広がらないと意味がありません。主要な業務について順次標準手順と、できれば標準時間を決める必要があります。それを部門規程などの約束事として決めていきます。

仕事は急いて焦らせない、でも間延びもさせない

標準時間はよいペースメーカとなります。時間に追われて仕事が粗くなったり、逆に手待ち対策で仕事を間延びさせるのもだめです。周りの残業につられてだらだらするのは厳禁です。このようなことも標準時間を制定すれば見えてきます。

オール定時指示は非効率 1時間残業前後で平準化

オール定時指示は、これまでだらだらと仕事をしていた職場においては、一定のカンフル剤になり効果があがることも多いと思います。しかし、仕事の標準がしっかりと整備されたムダの少ない部門では、オール定時で仕事をすると仕事の山谷への対応が困難でかえって非効率になります。焦って荒いやり方で仕事を終わらせたり、価値の低いやらなくよい仕事を定時前の時間調整につかってしまったりします。ひどい場合は、定時前に手待ちが発生することもあるでしょう。残業の活用は仕事の平準化をする上で非常に有効です。長残等で生産性が落ちない範囲で、十分に活用すべきです。

部門(プロセス)に必要な人財を定義し教育計画を作成

部門の役割がはっきりすると部門に必要な人財が見えてきます。その人財のスキルマップを作成し、教育計画をつくります。

以上をしっかりと改善することで多くの企業では個人の時間当たりの生産性は大きく向上するでしょう。そして個人当たりの労働時間は長すぎず短すぎずの体にやさしい長さで均衡がとれるはずです。あとは企業の業績アップを従業員に還元される仕組みがしっかりと回れば理想的な働き方改革が実現できると思います。なお従業員から搾取することだけを考えている企業は、社会・国・国際間で公平なルールを決めて排除する必要がありそうです。