計測器の管理方法
厳密な計測を要するものから、ちょっとした確認まで色々な計測があります。ここでは、要求レベル毎の管理方法をまとめます。 https://tu-ju.com/2019/06/13/post-462/ 前記事
普段使いの計測器 ~ちょっと確認用
品証の検査前の製造中などにちょっとした確認に使う計測器の場合は、校正や検定の必要はありません。識別等も校正や検定の管理対象になっている計測器と混ざらないように、目印のシールを貼るなどで対応しておけばOKです。普段使いの計測器は多少手荒に扱って計測器が壊れても、代品がすぐ手に入るなら買い替え費用だけで済みます。校正や検定はそうはいきませんので、普段使いの計測器を酷使?しましょう。
計量法対応の計測器 ~取引・証明用
取引や証明に使用する計測器は計量法の対象になり、法令に基づいて定期的に「検定」を うける必要があります。工場関係では食品計量、委託加工賃決定の為の物品計量、行政報告目的の排水量計量、製品の品質性能証明など色々とあります。検定と校正を兼ねることもできますが、検定された計測器は使用者側で校正できないことや、顧客要請等でISO 17025に準拠した「校正」が必要な場合は計量法に基づく検定だけでは要件を満たさないことなど注意が必要です。詳しくは経済産業省のサイトをご確認ください。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/31_houreishu.html 経済産業省WEB
校正する計測器 ~重要計測用
校正が必要な計測器は、例えば測定結果を間違えると、顧客等の生命や財産に大きな影響を与える箇所について計測する計測器です。主に品証部門が使用します。具体的にどういった箇所で計測するかは、顧客との契約によることもありますが、基本的にはメーカーが自主的に決めることになります。顧客との契約がなければ、校正するしないはメーカーの自由ですが、不良計測器を使ったことで顧客等の生命や財産に大きな影響が出た場合は、法的社会的に罰せられますので注意してください。
校正代は新品の計測器が買えるくらい高価なことが多いです。また計測器が壊れたばあいの妥当性確認も大変です。校正された計測器は、普段使いの計測器ですむところには極力使わずに丁寧に取り扱いましょう。日常点検も忘れずに実施し、異常がみつかったら繰り上げ校正をして修理するなどの対応が重要です。
計測器には管理番号と有効期限をシール等で表示して管理します。計測実施後はどの製品のどの個所をどの計測器で計測したか記録してトレーサビリティを確保しなければなりません。厳密には、測定した計測器が次の校正で問題ないことが確認されて初めて品質が確保されるのです。
参考 顧客要求によっては『校正証明書』、『基準器の校正書』、『トレーサビリティ体系図』を求められることがあります。要求がある場合は手元にあるか確認しましょう。校正業者から手に入りますが通常有償です。また対応した校正でない場合は手に入りません。原則としては校正を出す前に要求をだす必要があります。
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