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技術士(経営工学部門)を目指そう

2019年7月28日

今年も技術士試験のシーズンがやってきました。私は恥ずかしい話ですが新入社員時代に1次試験受験してから20年近くかけて技術士(経営工学部門)に生産システムで合格しています。途中受験をさぼったりしたのが大きいのですが、長い期間をかけたおかげで受験テクニックのみに頼らず実務を通して経営工学の知識を覚えられたのが現在の私の強みのような気がします。技術士を目指している人に、ちょっとした受験テクニックを交えつつ、実務とどうつながりがあったかを書きたいと思います。

https://www.engineer.or.jp/ 日本技術士会

技術士取得のメリット

多くの資格でいわれている通り資格だけでは食べていけません。しかしメリットがあるのも事実です。私が感じた技術士取得のメリットです 。

幅広い経営工学の知識にふれるきっかけになる

課題にぶつかったときに、それに役立つ知識を知っているのと知らないのとでは大きな違いがあります。知識がなく自己流のみでもがいている人をみると、受験してよかったと感じます。また試験ではここ数年で話題になったことも取り上げられます。新しい知識を手に入れようとするよいきっかけになった気がします。

「技術士」を名乗ることができ専門知識をもっていることの証になる

とくに経営工学部門では、メーカーでは難しい経営工学の手法を使うよりも、できるだけ単純で分かりやすくかみ砕いて説明をすることが重要になることが多いです。しかしその説明が広い知識と経験に基づいたものなのか、単純な思い付きなのかが専門外の人にはわかりにくいのです。その時に役立つのは「技術士」という看板です。経営工学はマイナーな分野で知らない人も多いですが、それでもメーカーでは一目置かれた資格だと感じています。

官報に名前が掲載されるのでちょっと嬉しくなる!

これはおまけですが、官報に受験番号だけでなく名前が掲載されます。合格の記念に紙で発行されたものを買っていく方も多いようで、2次試験の口答試験会場では予約の案内がありました。私はWEBからダウンロードして保存しています。合格時の喜びが2割増しくらいに感じられました。

1次試験

1次試験は学生の受験者もいる専門を志す登竜門です。問題は5択で、50%以上の正解で合格です。出題範囲は非常に広いですが過去問を解いて丸暗記するくらいで合格できます。頭が柔らかい若い世代が有利です。私もうわべだけの知識で合格したと思うのですが、が、幅広い専門分野のキーワードを覚えるきっかけになりました。そしてその後の仕事で、問題にぶつかったときの解決法を見つけるときによく役に立ちました。今ならネットで検索すると、いろいろな方の専門的な知識や独創的な知識がいっぱい出てきます。(いい加減な知識もありますが・・・) またもし近くに技術士がいるなら、幅広い専門分野のキーワードの知識があれば、より深い指導をスムーズに受けることができるようになります。

1次試験受験後2次試験合格まで

1次試験合格から4年以上又は業務経験7年以上で2次試験を受けることができます。受験資格を得るまでの期間は経験をつんで、能力をレベルアップさせることになります。私がいま振り返ると、理想は近くに技術士がいてその指導のもとに、職場や生産管理部門の様々な課題を経営工学の知識を武器に解決することです。もし理想の環境におられる方は一気に実力を身につけてください。

一方多くの方は理想の環境に身を置くことは少し難しい気がします。大手メーカーの場合は、多くの方は限られた自分の守備範囲をそつなくこなすのが日常業務になります。二次試験では自分の経験に基づいた回答を基本求められますので、出題によっては関係の深い経験がないために回答に困ることも発生します。中小メーカーの場合守備範囲は広くなりやすいですが、近くに技術士やそれに近い能力を持たれた方が少なく、場当たり的な業務に追われて、専門的な経験を積みにくい可能性があります。

私は2次試験受験資格をつかんだ直後は業務経験の幅が狭く、とてもではないですが歯が立ちませんでした。なお当時の試験は、時間のわりには莫大な小作文を書かされる問題でした。また専門知識の入手手段もネットが発達した現在と違い限られていましたので、非常に苦労したのを覚えています。で、しばらく受験を中断することにしました。私の悪いさぼり癖が出たのかもしれませんが、仮にこのとき頑張って技術士に合格しても経験の裏打ちが少なくメリットは少なかったでしょう。20代あたりの短期間で多くの経験を積みにくいかたは、この時期はじっくり力を蓄えるのもよいのかもしれません。

2次試験受験編 につづく