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なぜなぜ分析:不具合を大きく捉える

2019年6月27日

不具合の分析手法のひとつに「なぜなぜ分析」があります。不具合で発生した事象から、なぜを何回も繰り返し、不具合の真因をみつけて不具合の真因対策をして、不具合を根元から断ち切る手法です。基本的にはなぜなぜを繰り返すだけですのでわかりやすいのですが、うまく分析できていないことも多々発生しています。そこで、よくある失敗事例ととともにtu-du流のやり方を示したいと思います。ここでは「なぜなぜ分析」の厳密なやり方を示すのでなく、「このようにして不具合を減らせる」と言うことを示したいと思いますのでご了承ください。

高齢者のアクセルブレーキ踏み間違え事故を例に考える

具体的な事例での説明は話すことができないことも多いので、現在社会的問題になっている高齢者のアクセルブレーキ踏み間違え事故を例に考えてみます。

事象を正しく捉える

まずは、本当にアクセルとブレーキを踏み間違えたのか?という分析から入ります。踏み間違え以外に自動車が暴走する可能性を列挙し、その可能性を潰していきます。例えばアクセルを離したのに自動車がエンジンへガソリンの供給を続けたなどです。事象をただしく受け止めていないと、当然正しい答えにはたどり着けません。「高齢者の車が暴走」=「踏み間違え」と安易に決めつけてはならないです。

大枠をとらえる

不具合の事象を正しくつかむことができたら、その不具合の起こした大枠のプロセスをとらえることを先に考えます。車を運転するプロセスで車と運転手が燃料等をインプットに、乗員を目的地に運ぶのがアウトプットというとこかと思います。そして、ブレーキを踏み間違えが、車が踏み間違えやすい構造になっていないか、踏み間違えを犯しやすい運転手の認定の仕組みになってないかなどの検討に移ります。

参考 プロセス管理 あなたは何から何を作る? https://tu-ju.com/2019/06/10/post-452/

問題のある要素の関連プロセスになぜを問いかける

例えば、踏み間違えを犯しやすい運転手を更新認定するプロセスに問題があったとします。次にはなぜそのようなプロセスになっているかを考えていきます。更新認定プログラムが不十分だなどです。このようになぜの範囲を広げて、不具合事象の全体概要にせまっていきます。

ただし問題解決できない範囲までは広げない

なぜなぜ分析の目的は不具合を削減することです。不具合対策を行おうとしているものに手が及ばない範囲までがなぜを繰り返しても無意味ですので、そこで打ち止めになります。踏み間違え問題の場合は、国や社会として考える場合と、当事者関係者で考える場合はその考えるべき範囲は異なってくることになります。