原価計算を考える
工場での生産活動では、生産する製品の原価を把握することは、営業戦略、生産性向上活動、経営戦略決定など非常に重要です。しかし、特に一品生産や少量生産の工場においては真の原価を把握することは簡単ではありません。比較的簡単な量産工場でさえも設備の費用等をどう考えるかなど難しい要素もあります。厳密解をひたすら求めた場合その労力もばかにならないです。また頑張っても正確な答えが出せないこともあります。そこで、大雑把を旨とする当サイトでは、原価見積や原価管理で多少のずれはあっても大きくは間違えないことを第一として、原価をどうとらえたらよいかを述べたいと思います。
工場全体の支出の全体像をとらえる
製品個別の原価を考える前に、 まずは工場全体の支出を見ることをおすすめします。 木を見て森を見ずにならないためにです。 想定外の費用が発生していることを見落とさないためにです。電気ガス等のユーティリティ費用や、間接職の人件費など、個別製品と原価を直接結びつけて考えにくいものが特に要注意です。
原価が何に比例するかを考える
工場全体の支出の大枠を把握したら、次には個別の製品を見ていきましょう。ここで量産品なら、ひとつひとつの原価要素を精査していってもいいかもしれません。間接費用以外の直接費はそれなりに計算できますし、それを継続した生産活動に活かせるでしょう。しかし一品生産や少量生産ではそういうわけにはいきません。多大な労力をかけても、計算ができたころには生産が終わってしまいます。生産完了した製品の反省会の検討材料程度にしかならないのです。それよりも、次回案件の見積もりや、次回どのような設計をすれば安くなるかなどを、素早くタイムリーに知ることのほうが有意義になります。
そこでお勧めするのが、昔ながらの手法ですが、原価が何に比例するかをまず考えることです。製品1個当たりの原価の割合で高かったものが何かを明らかにします。高価な材料を扱っているなら材料費、組み立て等手間暇かかる作業なら人件費といったところが一番になると思います。そして材料費なら重さに比例、人件費なら労働時間に比例することになります。
つづく 原単位から原価を計算する | https://tu-ju.com/2019/07/13/post-591/
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