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限界利益計算

2019年7月15日

原価計算を考える | https://tu-ju.com/2019/07/12/post-589/

原単位から原価を計算する | https://tu-ju.com/2019/07/13/post-591/

原価を固定費と変動費にわける

製品の原価を求めることができたら次は原価の内訳を固定費と変動費に分けましょう。固定費は製品の生産の有無にかかわらず一定量が発生する経費で、変動費は生産量に比例して発生する経費です。

まずは分けてみた

細かいことを書く前に私が、「えいや~」で分けてみました。

 固定費:エリア空調照明費・社員人件費・設備償却費           

変動費:材料費・副資材費・請負人件費・生産機械を動かす電気代(待機電力代除く)

いかがでしょうか?異論はありすぎると思います。自工場にあった形に訂正してみてください。(同じ経費でも生産する製品や、さらには工場の体制によって固定になったり変動になったりするので一概には決められないのです。)

限界利益計算をしてみよう

通常の利益計算は「代価‐原価(固定費+変動費)」です。限界利益計算は「代価‐変動費」になります。この限界利益が出ているか否かは、仕事が暇なときに受注してプラスになるかマイナスになるかの分かれ目になります。高額な設備が遊んだり、社員が定時割れしている場合では限界利益がでている限りは、原則的に仕事をとるべきという話になります。ただし、通常の利益が出ていない受注ばかりでは、トータルとしてはやはり赤字になります。この点は肝に銘じておく必要があります。

限界利益計算例 ~航空会社の値段設定

限界利益計算をうまくつかっている例では、航空会社の値段設定があります。航空機の運航は、固定の時間に固定の人員で固定に近い燃料を消費します。変動費に当たる部分はあまりありません。ですから、空気を運ぶより激安でも人を乗せた方がプラスになります。そこで人気のある日時の便には高い値段を設定します。そして人気の低い日時の便が発生したら格安の値段を設定して、少しでも収益をあげようとしているのです。

限界利益計算を使わない例 ~コンビニエンスストア

逆にあえて限界利益計算を使わない例もあります。コンビニエンスストアが原則値引き販売をしないことです。当然目先の利益を考えたら、限界利益が出る限りは、どんどん商品を売る方が店は利益がでます。とくに消費期限がある商品が売れ残る場合は、ほぼすべてが固定費と考えてよいでしょうから、ほぼただでも売った方がよいのです。しかし、それをすると、これまで正規の値段で買っていた顧客のいくらかが値引き商品の購入にながれることになります。そうなることは目先に得られる利益よりも全体の利益を損なうと判断して値引き販売をおこなっていないのです。限界利益計算は市場の値崩れをおこすことがあることを注意しているよい事例かと思います。

ただし、コンビニの場合大量の食品廃棄が発生している問題や、値引きせずに発生する目先の損をコンビニオーナーのみに押し付けているケースがあるなどの社会問題も発生しています。この点は留意してください。

つづく 固定費を減らす(1) https://tu-ju.com/2019/07/15/post-601/