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固定費を減らす(3) 電力・通信等の基本契約部分を削減

2019年7月18日

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契約電力の見直し/ピーク電力削減

電力は契約電力の大きさで基本料金が大きく変わってきます。特に多量に電力を消費する企業は影響が大きいですので、自社の電力消費にあった契約になるように努めましょう。

なお契約電力は瞬間的に最大必要になる電力量で決まります。もしピークの時間が一瞬でしたら多量に電力を消費する設備の稼働時間をずらすことで、契約電力を大きく下げられることができますので考慮してみてください。

照明費削減

照明の多くは仕事の山谷に関係なく一定に発生しますので、照明費の削減は固定費削減につながります。そして照明費削減でまずお勧めするのはLED化です。毎日照明を使う場所でまだLEDになってないようでしたら、ほとんどの場合、次にランプが切れた時にはLEDに変えた方が安くなると思います。もし白熱灯や水銀等をまだ使っているなら、ランプ切れを待たずにすぐに取り換えた方がよい場合さえあります。

他にはランプの傘の清掃を定期的におこなうことや、センサー付きのライトに変えてつけっぱなしをなくす等も有効です。

事務所などの空調費削減

関連記事:エアコンの設定温度を上げても省エネにならない!?

前の記事で述べましたが事務所などの空調費削減にやみくもに設定温度をあげても逆効果になります。まずはだらだらとした残業などをやめるべきです。

次には古くなった空調設備等を順次更新していくのも手ですが、意外に投資対効果だけを考えると数十年使っている空調機以外は元がとれないことが多いです。しかし、経済産業省などでは頻繁に省エネに関する補助金を募集していますので、条件が合えば補助金を利用するのが手かと思います。手続きが少し面倒で官庁の予算化のタイミングに合わせる必要もありますが、費用の1/3程度もの補助金がでることが多いのでお勧めです。その時建屋の断熱強化なども併せて検討するのもよいかと思います。

あと忘れがちですが、窓の外に日よけをつけるなど古典的な対策が有効だったりします。

機械の待機電力削減

特に工場では大型機械等に大量に待機電力が発生する設備が多々あります。工場が稼働しない夜間や休憩時間に消費電力を計測することで多量に待機電力を発生する機械をみつけましょう。そしてこまめに主電源を落とすことを心掛けてください。(機械によっては主電源を簡単に落とせない場合もあります。その場合は機械のメーカーと相談してみてください。)

エア圧等各種設定を最適にする

エアコンプレッサ等各種の機器は、メーカー出荷時は様々な工場で対応できるように高めの設定にされていることが多いです。自社の使用実態に応じて設定をさげることができると、固定電力をさげることができます。あとエア漏れ放置等も固定費になりますので忘れず対策しましょう。

通信費削減

携帯電話・スマートフォン・インターネットなどを大量に使用する企業では、これらの基本契約料もばかになりません。定期的に契約プランを見直しましょう。

以上固定費の削減について述べました。これらを徹底することで、景気など外部の変動に強い強靭な財務体質をもつ工場へと進化することができます。

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