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改善活動用チャージ単価を設定しよう

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製品原価の計算について上記の記事で述べました。ここで注意して欲しいところは、固定費(製造にかかる間接費用)なども、各製品に比例配分しているところです。仮に1時間の作業当たりの5000円の原価(チャージ単価)と計算した製品の場合、1時間の作業時間の短縮の改善をしてもコストダウン金額は5000円にならないことです。1時間短くなっても、コストダウンになるのは5000円のうち直接作業に必要となった人件費のみです。それ以外の固定費関連はコストダウンにはなりません。そこで、5000円のうち直接作業に必要となった人件費などの変動費を計算し、改善活動用チャージ単価を設定します。そうすると改善活動の成果が簡易的に計算できますので非常に役に立ちます。

ここでもし、直接作業の時間に比例して発生する原価があれば、改善活動用チャージ単価に乗せてしまいましょう。逆に間接職の費用など、直接作業の時間には関係があまりないものは基本的には乗せてはいけません。関係な微妙なものについては、一括してまとめて係数をかけて乗っけてしまいましょう。例えば、直接作業時間の1.2倍などです。

これで改善活動用チャージ単価を設定できました。この単価を使うことで実際の改善効果がいくらになるか簡単に計算することができます。

限界利益計算用の単価も設定しよう

もし直接費用のうち人件費の占める割合が大きければ、改善活動用チャージ単価が限界利益計算用の単価にほぼそのまま流用できます。閑散期の仕事の受注可否判断に活用できます。また、請負工事にて外部に委託するか否かの判断にも使えます。もし、限界利益計算用の単価よりも安く外部でできるなら、悲しいことに工場が遊んでも外で作った方がよい判断となります。それは市場競争力がないことにもなりますので、根本的対策が必要でしょう。通常は、限界利益計算用の単価を下回ることは、ライバル社とお互いに限界利益計算のぎりぎりのラインで叩き売りをしあう状況以外ではほぼないと思います。ですから、時々の操業と相談しながら内外作決定をすることになります。間違っても通常の製造原価の単価のみを見て判断してはいけません。自社の工場が遊んでしまい大きな損が発生します。

なお、直接費用のうち人件費でなく材料費の割合が大きい場合でも、人件費を材料費と置き換えて考えれば同様にできるかと思います。なお人件費と材料費がどちらも大きい場合は、それぞれについて計算して足し合わせる形になります。