フリーロケーション
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最近「フリーロケーション」が流行しつつあります。定義としては、部品製品類をその種類毎に置き場所を決めずに自由に保管していくやり方です。それでしたら、以前から保管場所の面積が限られている倉庫・置き場ではそのような管理をしていたと思います。なぜ、そのやり方が今脚光を浴びているのか考察してみたいと思います。
固定ロケーションの長所と短所
伝統的な部品製品類の効率的な置き場所の決定方法は「固定ロケーション」です。再びピッキングして次工程に送り出す時に手間ができるだけ最小になるように置き場所を決めることで、物流効率化が図れます。またできるだけ使用する場所に近づけて置く毎で、輸送の手間をなくすこともできます。物流の効率化を考えると現在においても基本となる重要なやり方であることには変わりないでしょう。
しかし欠点があります。まずピッキングや次工程のことを考えた置き場所決定は、考慮するべきことが多くなりなかなか決めにくいとこや、多種多様な製作を行っている工場では、部品製品類の山谷が激しくなり、必要保管場所の変動が激しくなり対応しきれないなどの問題があります。
なお、似たような部品製品類をまとめてグループ毎に置くことで、探しやすくすることを狙った固定ロケーションもあります、物流効率化の観点からはあまりお勧めしません。
フリーロケーションの長所と短所
一方フリーロケーションは空いたところに詰め込むのが基本なので、置き場所が最小限になることが長所です。欠点は、もちろん次工程のピッキングや輸送の効率が悪くなることです。そして置き場所が都度かわるので、その都度置き場所を記録しなければならない手間がありました。もし、記録の手間を惜しむと、再度取り出すときに部品製品類を探し回ることになります。管理の悪い倉庫は意図せずに記録抜きのフリーロケーションとなっていたりします。
フリーロケーションの置き場所記録を補助するツールが進化
最近フリーロケーションが脚光を浴びているのは、場所記録を補助するツールが進化したことだと考えます。例えばRFID(ICタグ)を使ったシステムを構築すれば、部品製品類を保管だなに置くだけで、何をどこに置いたか記録することが可能になったりします。(ただし製品の大きさ形状等によっては難しい場合もあります。) また、RFID以外にも画像認識やQRコード認識等様々な技術が提案されています。そして、記録の手間がなくなったことにより、部品製品類保管の作業が、多少管理が苦手な人でもできるようになりました。
そして、ピッキングや搬出時ですが、どこの棚に保管されているかを出力できるのはもちろんシステムで可能です。また、棚にランプをつけるなどで、どこに保管されているか作業者に誘導することもできるようになってきています。
時代はハイブリッドへ
固定ロケーション、フリーロケーションともに長所短所があります。今後はシーンに応じてそれぞれを使い分ける形になるのではと考えます。さらに将来はAIを使って、フリーな場所で次工程のピッキングや物流の手間が最小になることを計算しながら、置き場所を指示するシステムが開発されるかもしれませんが、おそらくまだまだ先でしょう。
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