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「所要量計算」に挑戦

2019年7月7日

 https://tu-ju.com/2019/05/24/post-231/ 小部品でも都度発注することも考える

 https://tu-ju.com/2019/05/25/post-234/ 現場に小部品をストックして管理する方法

これまで出来るだけ簡単に在庫管理をする方法を述べてきましたが、図面の確定後に部品を手配していたのでは間に合わない場合や、需要の増減が激しい場合などはしっかりと所要量を計算する必要があります。所要量計算方式は、WEB上で多くの解説が出ていますが理解できますでしょうか?私の見る限り多くのサイトは、もともと所要量計算を知っている人に、さらに深く理解をしてもらうためのサイトで、一から理解するのには不向きなものがいっぱいでした。そこで、ここでは一から理解できるように、できるだけ要点に絞って書きたいと思います。

① 製造部品表から各部品の必要数を割り出す。

各工程(職場)の製作順毎に必要な部品リスト( 例えば「A職場、BOX製作工事 施工期間 5月23日~30日 必要部品一覧」)から、部品毎に必要日と必要数を書いたリスト(例えば「A部品、5月23日、10個」)のリストに変換します。

詳しくは製造部品表(M-BOM)を参照

https://tu-ju.com/2019/05/22/post-224/

②製品単位で在庫を引き当てる

製品単位で期間毎に使用量をまとめて、現在所持している在庫を引き当てます。

部品A 調達期間(リードタイム) 1か月 発注ロット 10個

3月4月5月6月7月8月
使用1020584
在庫30200-5-3-7

③発注する時期を計画する。

在庫が基準を下回る前に、調達期間(リードタイム)を考慮して発注する時期を計画します。基準は、使用量の予測がどの程度変動するかや、万一欠品した場合の損害の大きさを基準に決めます。

ここでいう在庫の基準値を「安全在庫」と呼びます。

部品A 調達期間(リードタイム) 1か月 発注ロット 10個  安全在庫 10個

3月4月5月6月7月8月
使用 1012584
在庫30208
発注10

 このままでは、5月に安全在庫10個を下回るので、4月に10個発注を計画

3月4月5月6月7月8月
使用 1012584
在庫302018135
発注1010

 7月に再び安全在庫10個を下回るので、6月にも10個発注を計画

計画期間(この場合は5か月)まで繰り返し、完成させる

3月4月5月6月7月8月
使用1012584
在庫302018131511
発注01001000

以上で無事、所要量計算方式ができました。これを各製品毎に定期的に行うのです。品数が増えると、在庫管理も大変ですしエクセル等での計算も大変です。ですから、極力 「小部品(ボルト類)の在庫管理①②」で管理できるものは管理することをお勧めします

生産管理システムを導入

エクセルでやるのは面倒だし、やっぱりシステムを導入したいと思われた方も多いと思います。実際に工場の規模が大きくなればなるほど、計算は複雑になっていきシステムの導入は欠かせなくなります。所要量計算は現在ほとんどの「生産管理システム」と言われるパッケージに入っていますので、キーワードで検索してみてください。しかし

  • 費用は安くても100万円くらいから
  • ちょっと難しい生産管理用語が出てくる

と、数万円程度の事務系のソフトを入れるのに比べてハードルがちょっと高いのです。ただし、他にも便利な機能がついてきますし、使いこなせれば大幅な効率化も望めます。私もかつて「TPICS」の試用版を使ったのですが、生産管理システムとしては価格が安いのにも関わらず、しっかりとした作りになっていました。ウェブサイトのリンクを貼っときますので、興味のある方はPC1台のみで稼働する無料の試用版に挑戦されることをお勧めします。

http://www.tpics.co.jp/

他にも100~500万円予算をねん出できるなら、いろいろ候補はありますので、自職場にあったものを探してみてください。ただし、ユーザ毎にさらに作りこむ前提のソフトもあります。よりユーザにあったソフトを作れる利点はありますが、試用できる範囲が限られる欠点があり、失敗のリスクが上がります。ご注意ください。

https://tu-ju.com/2019/07/07/post-547/ MRPシステム~生産管理システムのコア部