私が選んだICタグ
IC(RFID)タグに挑戦 https://tu-ju.com/2019/06/22/post-498/
ICタグはいろいろとあり選ぶのが大変です。しかし色々悩んだ結果、工場での製品や部品類への利用を考えると意外に選択肢が少ないことに気が付きました。そこで、私が選んだICタグを先に示しその理由を解説することとします。ICタグ選びの参考にしていただけたら幸いです。
- ラベルシールタグ
- タグの金属対応不要
- (屋外使用なら)タグは雨がしみこみにくいもの
- タグは1m程度離れても反応するUHF帯使用タイプ
- タグは通常の電波をださないパッシブタイプ
- タグの書き込み領域は最小限(EPC領域)のみでよい
ラベルシールタグ
ラベルシールタグを選んだのは、1枚当たりの値段が安いことと、ICチップへの情報書き込みと同時にラベルに部品情報などの印刷ができることです。数十円もするラベルシールタグを使い捨てするのはもったいないと思われるかもしれませんが、リユースを考えた場合は一度タグを回収し新たな情報を書き込む作業が発生してしまいます。その手間にかかる費用を数十円以下で行うのは至難の業です。製品トレーサビリティーのための既存の回収ルートが、ほぼそのまま使えるようなケースでないかぎりは、使い捨てのほうが安いと考えました。また、徐々にですがラベルの値段も下がっていますので、ますます使い捨ての方にコストメリットがより優位に傾くと考えます。
タグの金属対応不要
ラベルシールタグは残念ながら金属にべた貼りできませんが、垂らすように貼り付けたり、製品と一緒に移動するパレット・ボックス・書類など貼り付けするなどで十分に対応可能です。
(屋外使用なら)タグは雨がしみこみにくいもの
ラベルシールタグは耐久性については確かにつよくありませんが、ラベルの粘着力がしっかりとしたものを選べば意外にもちます。多少の雨でもICチップ部に水がしみこみにくいシールであれば(保証外ですが)大丈夫です。私の使った経験では少なくとも99%以上の信頼性はあったと思います。他のリユースのタグも基本ぶつけると終わりですので、100%の信頼性を前提にシステムは組めませんので、結局ラベルとの有意差は少ないと判断しました。(長期屋外保管製品はさすがにラベルだと持たないと思います。)
耐熱性などについては紙なのでありません。確かに熱処理など特殊工程では耐熱性のタグに魅力を感じますが、専門メーカーでもない限りは、使用したい用途の一部でしかないと思いますので、最初の選択肢からは除外してよいと考えます。
タグは1m程度離れても反応するUHF帯使用タイプ
タグはUHF帯しようとHF帯使用があります。HF帯タグは交通系ICカード等に使われています。短距離でしか反応しませんので、既存のバーコードやQRコードとの差が少なく、工場では効果を発揮できる用途は限られるでしょう。UHF帯のタグは1m程度離れていても読めますので、ICタグの特徴である複数タグを一気に読み込むことを想定するとUHF帯タグ1択になります。
タグは通常の電波をださないパッシブタイプ
タグによっては自ら電波を出して遠くまで反応するアクティブタイプもありますが、値段が高くなるので通常の自ら電波をださないパッシブタイプで十分です。また遠くまで飛びすぎると、読みたくないものまで読んでしまう問題も発生します。
タグの書き込み領域は最小限(EPC領域)のみでよい
ICタグの特徴として大量の情報を書き込めることがあります。そこで少し書き込み領域の大きなタグを欲しくなりますが、基本は必要ありません。社内で製品やロットの品質情報をやり取りする場合、システムは製品コード・ロット番号のみを使って紐づけ管理をするからです。製品コード・ロット番号で紐づけできない社外とのやり取りでは有効ですが、現在お互いにICタグを使える環境が整った例はまだ数少ないと思います。ですからほとんどの場合、製品やロット等のコードが書き込める領域があれば十分で、それらはタグのEPC領域(標準の書き込み領域)を使用することでほとんど対応可能です。(既存で生産管理系のシステムが複数乱立していてコードに統一性がない場合などの特殊なケースでは、少しUSER領域があった方が便利ですが、コードを記録するだけですので大容量はいりません。)
ICリーダー等機器選び編へ続く
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