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ワークサンプリング法(稼働分析)

2019年7月7日

https://tu-ju.com/2019/05/18/post-212/ ストップウォッチ法で標準作業を強化

ワークサンプリング法は稼働分析の一つで、例えば、一定期間内に約30分毎に、作業者が瞬間的に何を行っているかを観測し統計的に集計することで、どのような作業の割合が多いかを分析する手法です。例えば運搬が多いですとか、段取り時間が多いなどが結果として出てきます。厳密なやり方としては、統計的な信頼度から観測回数を決め、乱数表などで不作為になるように観測時間を決めるなど、少しややこしい手続きがあります。しかし、そこまでやると連続観測法であるストップウォッチ法と同様に時間が非常にかかります。tu-du流としては統計的精度は落ちてしまいますが、他の仕事の片手間で現場を見られるときに観測して分析するのをお勧めします。管理系のベテランの方が何度か職場をみて、この職場は○○のムダが多いって指摘する要領に近いものです。

ワークサンプリング法のメリット

  • 連続観測法(ストップウォッチ法)よりやや簡単で、複数作業者を同時に見ることもできる。
  • tu-du流なら他の仕事の片手間でできる。
  • 作業者がじっとみられることが少ないので比較的自然な姿を見ることができる
  • 瞬間的にみるので、加工に付随して断続的に発生している細かな運搬や段取り時間もとらえることが出来る。(連続観測法では付随して発生する細かな運搬や段取りは、繰り返し発生していても一連の加工としてとらえてしまいやすい。)

ワークサンプリング法のデメリット

  • 作業手順を記録できないので、標準作業作成等には使えない。
  • 細かな動作分析までには適応が難しい。

どんな時に使うか

私は標準化されていない色々な作業がおこなわれている職場で、まずはどの作業の改善に着手するかに簡易的につかっていました。一方観測精度が必要な場合においては、連続観測法(ストップウォッチ法)にかかる手間とあまり変わらないのにもかかわらず、標準作業作成に使えないなどの欠点があるので、私はあまり使いません。まずは標準作成が優先すべきことだと考えているからです。一方で標準作業がしっかりと制定されると、手順書から稼働分析が出来てしまいますのでワークサンプリング法の出番が限られてしまいます。ワークサンプリングって使えそうで意外につかえるシチュエーションが限られると感じます。

あまり世間では言われていないことですが、ワークサンプリングは断続的に発生している細かな運搬や段取り時間の把握につかえるのが、手順書による分析や連続観測法に負けない強みと感じます。この点を使った分析をもう少し取り組んでみようかと思います。