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フレデリックテイラー

ギルブレイス:サーブリック分析 https://tu-ju.com/2019/06/30/post-524/

まずはギルブレイスの話をしましたが、IEのもう一人の父、フレデリックテイラーの話を少ししたいと思います。フレデリックテイラーは20世紀初頭頃に作業の標準化において様々な成果を上げられた科学的管理法の父と呼ばれている方です。 ギルブレイスがレンガ職人出身に対し、フレデリックテイラーは製鉄会社の機械工見習い出身です。お二人とも管理される側の心理をよく理解されている気がします。

シャベルすくいの実験

フレデリックテイラーがミッドベール・スチール社の職場のリーダーだった時の話です。鉄鉱石、石灰や灰等の運搬作業が理論値の約4分の1にとどまっている問題を抱えていました。彼がとった解決策を簡単に述べると次のとおりです。

1.作業者と話し合う

シャベルの種類が少なく、作業に適したシャベルが使えないことが判明。

2.作業時間測定など分析を実施

  • 最も疲労が少ないシャベルのひとすくいの量を明示
  • 最適なシャベルの柄の太さ、長さ、持ち方を明示
  • シャベルで投げ出す距離や高さも明示

3.作業方法と的確な手順を作業者全員に教育、指導者を増員

4.一日に終わらせなくてはならない作業量を示す

5.生産計画を修正し、手待ちや長残業発生を抑制

この改善で生産高が4倍になったそうです。この改善は約100年前の出来事ですが、私はいまだにこのやり方の延長線上で改善を行っています。この100年間、情報技術等の発達などもありました。より簡単に生産性が向上するようなセールストークも聞かれた方も多いと思います。しかし結局思い知ったのが、シャベルすくいの実験は改善の基本であることでした。情報技術等の発達は分析などを高速化し高度化するのですが、今のところ根本的には変えるまでには至っていません。将来すべてをロボットが自動で生産し、そのロボットも人間でなくロボットが維持管理する世の中がくれば変わるかもしれませんが、幸か不幸かまだそこには至っていないのです。

参考 課業管理

テイラーは一日に終わらせなくてはならない作業量も示して、それに従って賃金などの決定に使ったそうです。これが課業管理と呼ばれています。厳しい職場のリーダーで怠けているものは許さないと考えたのかもしれませんが、それよりもしっかりと働いている人が報われていないことに問題を感じていたのでは私は思います。テイラーは労働組合から対立されるなど、当時世間の多くから労働者の敵とみられていたようですが、労使協調型の社会をめざしていたように感じます。