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外部不経済

外部不経済とは

市場を通して行われる経済活動の外側で発生する不経済活動です。平たく言うと公害とかですね。もし各企業が何の制限もなく経済活動を行った場合は、公害は出したもの勝ちになってしまいます。もちろん良心が許さず出さない企業もあるとは思います。しかし、出す企業に対して競争が不利ですので自然淘汰されて、世の中には公害を出すことが当然と考える企業ばかりが生き残ってしまいます。

そうなってしまっては地球環境が破壊されるだけでなく、そこに生活する人間も無事ではいられません。そこで法律を作って規制をして公害をださないようにしているわけです。しかし、公害物質を100%規制すると、今度は経済活動への支障が大きすぎて経済活動が麻痺して生活にまで影響を及ぼしてしまします。

そこで環境税などの導入が検討されるわけです。例えば二酸化炭素の排出量に応じて課税をするなどが挙げられています。二酸化炭素の現在の技術では避けられませんが、課税をすることで外部不経済分を負担させることができるのです。すなわち外部不経済だったものが内部経済化されることになります。

しかし、環境税はなかなか進みません。おおよそ次の理由かと思います。

・これまでタダで二酸化炭素等を排出できていたものが急に有料になり事業に影響がでる。

・環境税が課される国とそうでない国とで不均衡が生じる。すなわち、環境税が課されない国が有利になり、まじめに課した国の企業が滅んでしまう。

・これまでタダで二酸化炭素等を出して発展した先進国とくらべて発展途上国は不利。

・外部不経済に対する客観的基準作りが大変。

環境税の例を挙げましたが、他にもいろいろあります。児童搾取の問題や、国際企業における法人税負担逃れなど社会でフェア―な競争をする上で支障になる事案が山積しています。これらが許されるルールが存在する限り、まじめな企業が生き残りくいです。経済のグローバル化が進んでいる現在、その傾向が今までより大きくなっています。世界全体で社会福祉は後退し人の心も乱れて、治安も悪化方向に向かうでしょう。これらの外部経済を内部経済へと取り込む、国際ルール作りが今非常に望まれます。