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エアコンの設定温度を上げても省エネにならない!?

姫路市でこの夏(2019年)エアコンの設定温度を28度から25度に変更するとのニュースが流れています。労働効率を向上させて残業を削減して省エネを目指すとのことだそうです。皆さんどう考えますでしょうか?私の第一印象は「オフィスで25度はちょっと寒いでしょう!」です。しかし同時に、本当の省エネを考えるよい啓発にはなるかなと感じました。

工場でのエアコン温度設定は本来生産性優先だった

例えば精密機械を有する工場など空調設備が必要な工場では、精密機械が最適に動かせる温度設定をするのが普通です。必要以上に低い温度設定をすることはありませんが、壊れるか壊れないかのぎりぎりのラインで空調温度を設定することはまずはありません。人にとっては寒い温度になるのが普通ですが、機械が無故障で快調に運転できることで生産性は高まり、それが省エネにもなります。

 では人に対してはどうでしょうか?エアコンの温度設定が声高に叫ばれる前は、作業者に快適に生産できるか生産性を確認するのが普通だったと思います。そして体温が上がりやすい重労働では低めに、軽労働では高めの温度設定が選ばれやすかったと思います。世間の省エネの声に押される形で、生産性が低下してしまう温度設定に上げてしまってないでしょうか?

生産性を確認して温湿度設定をしよう

職場での人へのエアコンの温度設定は、生産性が最大付近になるようにすれば省エネになります。もちろん声が大きい方に合わせた過剰な温度設定の引き下げや、人がいない時の空調の入れっぱなし、さらにはダラダラとした残業削減なども併せてやらなければなりません。あと湿度にも十分に気を配ってください。温度が水分子の振動の激しさなら、湿度は水分子の量です。人の生産性は温度と湿度両方に大きく依存してきまります。自職場の生産性が向上する温湿度設定を見つけましょう。

生産性に影響を与える因子 ~照度、騒音、VOCなど

人の生産性に影響を与える因子は温湿度だけでなく、照度、騒音、VOCなど色々あります。法規制があるものはそれに従うのは最低限必要ですが、生産性が向上の観点から、よりよい状態を目指すことが重要だと思います。それぞれ一般的な推奨設定値はありますが、実際の職場で生産性を確認しながら最適値を求めることが重要です。上記の3つの中では照度が一番要注意かなと思います。年齢が高くなると暗い環境では細かいものが見えにくくなって、不具合をおこしたり作業のやり直しが多くなったりするからです。当然省エネにも悪影響を及ぼします。